何かを捨てる覚悟 

2008年の手帳に貼ってあるので、ずいぶん前の新聞に掲載されたものですが
最近、よく読み返します
マンガ家でありエッセイもよく書いてる柴門ふみさん文章です
「わたしと仕事」というコーナーの記事みたいですね





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25歳で長女を、29歳で長男を出産しました。
「東京ラブストーリー」や「あすなろ白書」を描いたのは、
2人の子供がまだ小さくて手がかかっていた時期です。
なぜできたかと言えば、子供が可愛くて可愛くて、エネルギーがわいてきたから。
仕事でけなされて傷ついても
家に帰ると子供たちが「お母さん大好き」って飛びついてきてくれたから、
多少のことは乗り越えられた。
3人で折り重なるようにして眠ったこと、手をつないで夕涼みに出かけたこと。
その頃の記憶は一生の宝物です。
10~12歳を過ぎてからは、体力的には楽になりましたが、
精神的にはものすごくエネルギーを使いました。
特に思春期は大変で、一日たりとも気が抜けない。
人生の計画を立てるなら、むしろその時期に、ゆとりのあるポジションに立てるようにした方がいい。

私は若い頃に積み立てた経験という定期貯金を崩しながら描いてきて、
40歳でほぼなくなってしまった。
新たに貯金するには人に会ったり芝居を見たりしなきゃいけないのに、
思春期の子供からは目が離せない。
身の回りではよく知っている子が家出したり、引きこもったり。
そんなささいなことで、と本当に怖かった。
親がいないと家がゲームセンター状態になるので夜、外出をやめる。
すると取材ができない。
そのジレンマがここ数年、一番苦しかった。

預けっぱなしでたくましく育つ子もいれば、母親じゃないとだめと言うひ弱な子もいる。
同じ親から両方が生まれる事もある。
子育ては計画通りにいかないから、この道しかないと決めつけない方がいい。
行き当たりばったりでいいから、その場その場で真剣に考え、軌道修正していけば何とかなります。

ただ、おしゃれで仕事もばりばりやって子供もちゃんと育てて、というイメージに憧れて
「私も」と思うのはやめた方がいい。
そんなこと、あり得ないからです。
何もかも失わずに全部こなすのは無理。
私は子供が小さい頃、どの時間を削れるかを考えて
おしゃれと友達との時間を削った。お茶も食事も誘いは全部断りました。
何を優先するかは自分で決めること。
人の3倍努力しながら、いろんなものを切り捨てる覚悟が必要だと思います。

Commented by deeeep_breath at 2015-12-07 11:26
前半、ちょっと泣きそうになりました。つい、この間のこと、もしくは、あと少し、そんな日々が私には用意されているかもしれないのに、そう遠くない未来、確実に思い出になる大切な日々のこと・・・。
後半は、すごくすごく心にグサッときました。本当に、その通りですよね。私なんて外で仕事をしているわけではないのに、それでも自分の時間が足りないと、いつも思ってしまうので・・・。「人の3倍努力しながら、いろんなものを切り捨てる覚悟」。私にも必要だな、と思います。読ませていただいて、良かったです^^
Commented by makotaguglee at 2015-12-09 19:04
> アカシヤ様
こんばんは!!コメントありがとうございます♡
時間の無い中、いかにやりきるか、いかに子供と向き合うかが
ずっとずっと課題でした・・・もちろんだいぶ楽になった今も
まだまだ模索中ではありますが・・・
人間育てるって、大変ですよね
だからこそ、やりがいあるのかな???
柴門ふみさんですら、悩むんだなぁ・・・と凡人の自分をふりかえりながら
しみじみ読み返してます
by makotaguglee | 2015-12-05 11:00 | 日々の出来事 | Comments(2)

フルタイムの仕事をかかえ奮闘している3人の子の母です。家族が健康に過ごせて自分も楽しくいられるよう、日々工夫しながら頑張ってます


by Mako